INDIA · 2025
インドKochi
海辺の街には、異なる宗教と文化が長い時間をかけて静かに重なっていた。
Kochiを歩いていると、インドのほかの街とは少し違う空気を感じた。教会があり、モスクがあり、ヒンドゥー寺院があり、さらにユダヤ人街の痕跡も残っている。異なる宗教が近い距離で共存していることが、この街では特別なことのように見えなかった。
海を越えて人が集まった街には、信仰も暮らしも一つにはならなかった。
KochiはArabian Seaに面した港町として、古くから香辛料交易で栄えてきた。Arabの商人やユダヤ人、Portuguese、Dutch、Britishなど、さまざまな人々がこの地を訪れ、それぞれの文化や宗教を残していった。その積み重なりが、Fort KochiやMattancherryの街並みに今も表れている。
海辺では、Chinese fishing netsと呼ばれる大きな漁具が並んでいた。木の骨組みと重りを使い、網を海へ沈めて引き上げる昔ながらの仕組みだ。
その近くには猫が多かった。インドのほかの街では、ここまで猫を見ることはあまりなかったように思う。漁師が魚を扱い始めると、その様子をじっと見つめ、少しでも隙があれば魚に近づこうとしている。
宗教や文化が混ざる港町の風景の中で、猫たちまで海辺の暮らしに溶け込んでいた。
Kochiでは、一つの文化だけが街をつくっているわけではない。海を渡ってきた人々の歴史と、今そこに暮らす人々の日常、その足元で魚を狙う猫たちまでが、同じ街の風景として残っていた。



























