INDIA · 2015
インドJaisalmer
砂と同じ色をした城塞が、Thar Desertの中からそのまま立ち上がっていた。
Jaisalmerでは、街そのものが砂漠の色をしていた。建物も城壁も黄褐色の石でつくられ、強い日差しを受けると金色に近い色へ変わる。遠くからJaisalmer Fortを見ると、砂漠の中から巨大な塊だけが浮き上がっているようだった。
城壁の外へ出ると、今度は街そのものが砂の中へ消えていった。
Jaisalmerは12世紀に成立した砂漠の都市で、Thar Desertを通る交易路の拠点として発展した。城塞の中には現在も家や店、寺院などがあり、人々が暮らしている。観光のために残された城ではなく、今も生活が続く「living fort」であることが大きな特徴だ。
狭い道を歩くと、外から見た巨大な城塞の印象は少しずつ消えていく。そこにあるのは店や家、人の声だった。何百年も前につくられた壁の内側で、現在の生活が続いている。
街を離れてからは、ラクダに乗って砂漠を進んだ。ゆっくりと揺られながら砂丘を越え、そのまま砂漠でキャンプをした。
夕方になると、低くなった太陽の光が砂を赤く染めていった。昼間は乾いて無骨に見えていた砂漠が、少しずつ柔らかい色へ変わっていく。人の姿も建物もほとんどない場所で、砂丘だけが長い影を伸ばしていた。
日が沈むまでの短い時間、砂漠は現実から少し離れたような、幻想的な景色になった。
Jaisalmerで記憶に残ったのは、城だけではない。砂と同じ色をした街を出て、さらにその先の砂漠へ進んだこと。その二つがつながっていたからこそ、この土地らしさを強く感じた。




















