IRAN · 2017
イランKashan
土色の街の外側からは想像できないほど、古い邸宅の内側には静かな美しさが隠れていた。
Kashanを歩いていると、外から見える街並みは比較的素朴だった。乾いた土地に土色の壁が続き、派手な建物が次々と現れる街ではない。
閉じた壁の向こう側に、もう一つの世界がつくられていた。
しかし古い邸宅へ入ると、その印象は大きく変わった。
Kashanには、かつて商人たちが築いた伝統的な邸宅が多く残っている。外から内部が見えにくい一方、中には中庭や水盤、細かな漆喰装飾、色ガラスの窓などが設けられている。暑く乾燥した気候の中で快適に暮らすため、地下空間や風を取り込む構造も発達した。
街の外側は乾いているのに、家の中へ入ると水と緑がある。その対比が印象的だった。
イランの建築は、巨大なモスクや宮殿だけが美しいわけではない。
Kashanでは、人が暮らすためにつくられた空間にも、同じように細かな美意識が込められていた。
外からは見えない。
だからこそ、扉をくぐった先に現れる景色が強く残った。

























