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ANTARCTICA · 2026

南極Palaver Point

氷山の上に、一羽のエンペラーペンギンが立っていた。

最後の日の朝は、どこか名残惜しかった。船はGerlache Straitを北へ進み、天気のよい海域をゆっくり航行していた。甲板に出ると、冷たい空気の中に白い山と静かな海が広がっていた。もうすぐこの場所を離れるのだと思った。

氷山にエンペラーペンギンがいた。

海にはザトウクジラの群れがいた。水中から泡の輪を作り、数頭が同時に浮かび上がる。クジラの餌取りを、船の上から何度も見た。最後の日でさえ、南極ではまだ見たことのない場面が現れる。

Graham Passageを進んでいる途中、大きな氷山の上に若いエンペラーペンギンが一羽立っていた。群れではなく、一羽だけだった。こちらを見返すように立つ姿を、船の上からしばらく眺めた。

午後、Palaver Pointで最後の上陸をした。岩場を越え、雪の斜面を登ると、ヒゲペンギンの営巣地がいくつもあった。雛の声が聞こえ、風が少し強くなっていた。高く登るほど眺めは広がり、終わりが近いこともよくわかった。

船に戻り、ブーツとライフベストを返した。これで南極での活動は終わりだった。そのあと、Drake Passageの天気が荒れるという説明を受けた。旅は帰路へ向かっていたが、体にはまだ冷たい空気と白い景色が残っていた。

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