BOTSUWANA · 2019
ボツワナChobe National Park
チョベ川のほとりには、動物たちの穏やかな時間が、広い土地の上をゆっくりと流れていた。
チョベ国立公園には、川に沿って視界が遠くまでひらける場所があった。木々が密集した森とは違い、動物の姿は風景の中に点々と現れた。
一頭一頭のまわりに、広い時間が流れていた。
ゾウは大きな体を揺らしながら歩き、カバは水辺に身を置いていた。離れた場所にはライオンの姿もあった。けれど、サファリで想像していたように、次々と動物が現れるわけではなかった。
姿が少ないからこそ、一頭一頭のまわりには広い余白があった。急ぐものも、互いを追い立てるものもいないように見えた。動物たちは私たちに見られるためではなく、ただ、それぞれの時間を生きていた。
チョベ川と開けた土地を眺めているうちに、動物を探していた目も、いつしか風景全体を見るようになった。そこにあったのは、野生の緊張よりも、暮らしの静けさだった。













